2011年1月31日月曜日

ケープタウン


ケープタウンの観光名所のウォーターフロント。


喜望峰自然保護地域。



ケープタウンは、南アの国会が設置されている立法府であり、歴史的にも文化的にも重要な都市。

世界的な観光名所としても知られるケープタウンは、美しい山々や海に囲まれた貴重な動植物の宝庫であり、多くの人々を魅了している。

温暖な気候と雄大な自然に加え、この都市にはヨーロッパ、アフリカ、アジアなどの異国情緒溢れる文化が入り混じり、独特の雰囲気を醸し出している。

でも、観光目的でケープタウンに数日滞在しただけでは、都市貧困地域である「タウンシップ」の存在は見えにくい。
ケープタウンという都市を表面的に見ただけでは、都市の周縁にいる存在として生活している都市貧困層の存在を認識することは難しい。
いわゆる「アフリカのスラム」を想起させるタウンシップは、「まるでヨーロッパみたい」なケープタウンのイメージと容易には結びつけにくい存在である。

ケープタウンの重要な特徴のひとつは、人種・民族別人口構成。

南ア全体では、アフリカ人が約80%、白人が約9%、先住民と白人の混血やマレー系の人種を指すカラードが9%という割合であるが、ケープタウンでは、カラードが半数を占めている。

また南アのアフリカ人は9民族から構成されるが、ケープタウンの場合は約9割がコサ人(Xosa)。

彼らはケープタウンが位置する西ケープ州の隣にある東ケープ州出身の出稼ぎ移民である。
東ケープ州は、かつてアパルトヘイト期にトランスカイ、シスカイと呼ばれた、アフリカ人(コサ人)の独立居住地域として位置づけられていた。
しかし、独立居住地域と言っても事実上は白人経済に依存しており、隣州である西ケープ州ケープタウンに職を求めて出稼ぎに行かなければならない構図が作り出されていた。

タウンシップは、労働力の供給地であり、家族や親族が生き延びていくために働きに出た者たちが、様々な背景を抱えながら住み込んでいた地だったのである。

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